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【PEOPLES】#2 後編
靴下作り35年のプロに出会えるソックス専門店

<small>【PEOPLES】#2</small> 後編<br/>靴下作り35年のプロに出会えるソックス専門店<br>
ピープル

2020.10.04

GLEN CLYDE SOCKCLUB TOKYO

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人の顔が見える店は、つい通いたくなる。名物店主がいる店ならなおさらだ。OKUROJIにフォーカスし、生い立ちやこの仕事を選んだきっかけ、お店のことなど、その「人」の魅力に迫ります。第二回は、『GLEN CLYDE SOCKCLUB TOKYO 』の橋本満さん!

 Photo: Saori Tao  Text: Mayu Sakazaki

靴下作りは料理と同じ。長年の経験で美味しい一足を。

僕がこんなに長く続けてこれたのは、やっぱり楽しいから。業界では変わってる方で、同業者のつながりも全然ないし、雑誌や街中でのリサーチもしない。でも、いつもやりたいことをやって、時間やコストがかかっても失敗を繰り返して実現してきました。だから最初に「CHUP」が完成したときも、「Sea island cotton」ができたときも、すごく感動しましたね。

最初は売れなくても、ずっとこれを繰り返して本物になっていこうと思ってやっていました。うちはセールを絶対やらないのもこだわりで、自分でつけた価値を自分で下げることはしない。その価値をお客さんとも共有したいんです。

ものづくりにも丁度いいさじ加減というのがあって、長年やってくるとだんだんそれが見つかってくるんです。料理と同じで、材料が良ければみんなが美味しいものを作れるわけじゃない、色々なものが噛み合わないといけないんですね。冷蔵庫の残り物でパパッと作った方が高級食材よりも美味しかったりするし、そういう自由さや、表現の工夫というのが楽しいのかもしれません。

20代の女性デザイナー2人が手がけているというレディスブランド「Atelier」。デザイン性の高いアクセサリーのようなソックスを提案。

靴下の聖地をOKUROJIに!

OKUROJIの店舗は内装もクラシックに、アンティーク什器や建材を扱う「DEMODE9」さんに頼んで、ずっと残るようなお店にしてもらいました。靴下は奈良が日本一の産地といわれているけど、産地が奈良なら、聖地はここにしよう! っていつも言っているんです(笑)。

うちの靴下を履いたときに、その人がハッピーになれて、その一日が楽しくなる。そういうものでないと意味がないと思っています。そして、そこに文化とか、そういうものがあってほしい。ただの靴下だけど、足もとを飾る意外と大事なアイテムだよっていうのを、このお店で感じてもらいたいですね。

Profile

橋本満(はしもと・みつる)さん

19歳の頃に靴下メーカーに入り、1992年に独立。「GLEN CLYDE」を立ち上げ、工場の片隅を間借りしながらOEMとして様々なブランドやセレクトショップの靴下を手がける。2009年にオリジナルブランドをスタート、多くのヒット商品をリリースし、2017年に直営店をオープン。好きな芸能人は夕方のニュースで見かけるホラン千秋。趣味は旅行とお酒(おすすめは大分県)。OKUROJIで気になるお店は「そうめん そそそ」。

前編の記事はこちら

 

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